コラム

2012/09/06

現場からの社会貢献(東京・UT)

現場からの会貢献

▼関東地方整備局が本年度から力を入れている取り組みに「工事現場からの地域貢献・社会貢献」がある。一つひとつの現場で受発注者が協力して、地域の身近な要望に沿った活動を行う。こうした草の根運動を通じ、建設業全体のイメージアップにつなげようというものだ。

▼受注者にとっての具体的なインセンティブとしては、近年、重要性が極度に高まっている工事成績評定への反映がある。既存の考査項目の「社会性等」(地域への貢献等)での加点が見込まれる。100点満点中、5・2点のウエート。このうち3・2点は基礎点となっており、上積みの余地が2点ある。

▼同局ではこれまでに、各事務所から好事例を収集。例えばガードマン配置場所を「子ども110番」に登録した現場があったり、地域パトロール活動が地元に認められたり。ヤマメの稚魚を放流し、子どもたちに自然と触れ合う場を提供したといったケースも報告されている。

▼草の根運動については、下保修局長が業界団体との意見交換会で言及しているが、そのほかは、あまり表に出てこない。局内には、ペーパーにした途端、発注者からの強制と捉えられてしまうことを心配する声がある。また受注者が必要以上に頑張りすぎて、自費で色々やろうとすることへの懸念もある。下保局長も費用をみることができない点は強調している。

▼事務所から集めた好事例も、内部の職員向けイントラネットのみに掲載すべきという声が出てきた。総合評価方式での加点を狙い、清掃活動をしているポーズだけ写真に納めるといった、一部の悪質な企業の存在も影響しているようだ。(東京・UT)

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