コラム

2012/09/20

自助それとも共助あるいは(埼玉・YW)

自助それとも共助あるいは

▼11月の選挙に向けて、注目のアメリカ大統領選挙が、共和、民主の党大会を終え実質スタートした。

▼特に目をひいたのが共和党のロムニー氏の発言である。伝統的な共和党的保守の考え方を全面に出している。「オバマ大統領の国民保険制度は、自主・自立・自助の精神から逸脱し、その保険料金は無駄遣い。景気低迷を招いた保険加入の自由の選択権を奪った」と発言。さらに「防衛費を伸ばし、その圧倒的戦力で外交防衛上リードする」とも。

▼アメリカは周知の通り「自分のことは自分で」を基本とている。クリントン元大統領が中間選挙で大敗した政策のひとつ、ライフル銃規制の法案はその精神に反している。合衆国史上全米ライフル協会会員でないのはクリントンだけということは有名な話。つまり、自分の命は共助でも公助でもなく自助なので、ライフルを規制するのは命の危険を伴い、そんな法案は認めるわけにはいかないということだ。

▼先日、NHKで東日本大震災の教訓とした番組を防災の日にあわせて放映した。その中で群馬大学の片田先生は、無事に避難した釜石の子どもたちは「学んだことを当たり前のようにやっただけ」と発言した。そして、世間では行政防災無線、役所の連絡がどうのこうのと言うが、有事の時は「まずは自分が自分を助けるのに全力を尽くす」ことが基本としている。

▼あらゆることに該当するのだが、不景気なのは政治が悪い、制度の仕組みが悪い、先輩が教えないなど人の責任にしてはいないだろうか。まず自からが努力し、発想を磨くことを実行すべきではないか。大統領選挙は国民全員が問われる。(埼玉・YW)

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