コラム

2012/11/17

新エネルギーを未来に(山梨・OS)

新エネルギーを未来に

▼実家を新築したのは数年前のこと、我が家で使うエネルギーは車を除き全て電気になった。両親が高齢なこともあり、ガスや灯油などに比べ安全性の高い電気はとても使い勝手が良い。しかし電気料金は気にしても、これまで電気の供給方法について気にすることはなかった。

▼3・11による原発事故は大きな変化をもたらした。太陽光発電など、これまで脇役とされてきたエネルギー開発に注目が集まり、原発は廃止の方向に向いている。山梨県内でも甲府市や韮崎市、北杜市など、大規模太陽光発電施設の建設が進む。

▼大手電機メーカーや商社などと地元自治体が手を組み開発が進む。事業者の利益はもちろん、売電や用地の貸し出し料で自治体の収入増にもつながる。また用途に困っていた用地の有効活用が図れることも大きなメリットとなる。南アルプス市では、公共施設の屋上を無償で事業者に貸し出し、売電収入により事業者が設置費を回収。その後に市に無償で設備を譲り渡すといった取り組みを始めている。

▼市は設置費をかけずに設備を入手することができ、事業者は公共事業での実績と、わずかではあるが売電による収入を得ることができる。これは、双方にメリットがある事業で全国数カ所で同様の取り組みが行われている。

▼住宅用発電設備の設置数も補助制度などの効果もあり、すでに100万件を突破した。事故があったからガードレールや信号機が設置される。悲しいかな全てが事後対応だ。急速に新エネが進むのも原発被害が発端。この流れを止めることなく、もっと大きなものにして未来につなげていきたいものである。(山梨・OS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら