コラム

2013/01/23

ダムを末長野原町(群馬・MY)

ダムを待つ長野原町


▼先日、八ッ場ダム建設に伴う生活再建事業として上部工工事が進む湖面1号橋を見学する機会があ

った。群馬県長野原町の川原湯地区と川原畑地区を結ぶ橋長494mの5径間連続PCエクストラ

ドーズド橋は、ダム湖をまたぎダム本堤を眼前に望む橋梁となる。


▼高さ73・5mの橋脚をやや揺れるエレベーターで登る。実は若干の高所恐怖症。エレベーターの鉄

枠に両手で捕まっているところを見られ笑われてしまった。上部工工事は移動作業車が両方向に進み

ながら徐々に建設していくもので、主桁の断面をのぞくなどなかなかできない体験に興奮を覚えた。


▼同行の群馬県丁幹部が「完成すれば橋の上にクルマを止めてダム湖を眺める人が現れるかもしれな

いね」と話していた。建設予定地を含む東吾妻町から長野原町にかけての吾妻渓谷は、すばらしい紅

葉の景勝地。昨年秋も1号橋上流にある不動大橋では、路肩に駐車し写真を撮る観光客がたくさん見

られた。ダムが完成し湖面に映る紅葉はきっと来訪者の胸を打つ絶景に違いない。


▼ダム湖ありきの生活再建事業が進められる中で、地元にとって観光振興は大きな柱だ。駐車場の整

備なども必要となるだろう。この春に完成予定の「道の駅八ッ場ふるさと館」などの施設もダム湖と

の相乗効果をねらっている。


▼60年前に当時の建設省が調査に着手してから、地元をもてあそんできた八ッ場ダム建設事業。地域

住民は猛反対から徐々に賛成が増え、町を二分化した時期もあった。紆余曲折を経て再び政権に戻っ

た自民党政権は、公約通りきちんと地元の期待に応えられるだろうか注目したい。(群馬・MY)


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