コラム

2013/02/09

黒田夏子75歳の芥川賞(新潟・TH)

黒田夏子75歳の芥川賞


▼ない、ない、ない、見当たらない。どこを探しても見当たらない。本屋での出来事である。この頃、

本を読むことが少なくなったが、最近興味を持った本がある。でもそんな時に限って見たい本が見つ

からない。


▼第148回芥川賞に75歳の史上最年長で選ばれた、黒田夏子さんの作品「abさんご」(文芸春

秋)である。同作品は、全文横書きで、カタカナやかぎかっこを一切使わないなど、独特の作風が話

題を呼んでいる。昭和の知的な家庭に生まれた1人の幼子が成長し、両親を見送るまでの物語が描か

れている。受賞が決まったあと、初版が8000部出版されたが、その後注文が相次ぎ、増刷を重ね

ている。売れ行きが快調で、品切れとなる書店も出ているという。なんと出版から5日後に14万部に

達したというから驚きだ。


▼75歳になった自分を想像してみる。黒田さんのような斬新的かつ先鋭的なことが思い浮かぶだろう

か。それどころか、物忘れがひどい筆者はとんでもないことになっているのではないだろうか。きち

んと買いたい物を買い、お金を払い、おつりを忘れずに受け取っているだろうか。家に持って帰って

いるだろうか。


▼だが、不安ばかりを言っているわけにはいかない。筆者も現状に満足することなく新しいことにチ

ャレンジしていかねば。ヘルマン・ゲーリングの言葉に「卵を割らなければ、オムレツは作れない」

と言う言葉がある。何事も行動を起こさなければ前には進めない=自分の殻を割ることでしか得られ

ない何かがある。今年は斬新なアイデアを生み落としたいものだ。


▼なにはともあれ、まずは黒田さんの本を手に入れなければ。(新潟・TH)


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