コラム

2013/03/08

春の訪れを感じる(茨城・NI)

春の訪を感じる


▼人間はどのようにして冬と春の移り変わりを感じているのか疑問になった。感覚という面で実感し

やすいのは気温の変化であろうか。太陽の光が少しづつ強くなり、昼間のポカポカ陽気と心地よい風

に眠気を誘われるようになると「春がきた」と感じる。


▼では、毎年同じ時期に花を咲かせる植物はどのようにして季節を感じているのだろうか。一説によ

ると植物は、私たち人間よりも敏感に春を感じていると言われる。実は、植物にも五感があると言わ

れている。


▼特に嗅覚と視覚は発達していて、例えばジャスミンの木が毛虫に傷をつけられたとする。するとそ

の木はジャスモン酸を生成し、これをメチルエステルに変化させて空中に散布。すると傷を受けてい

ない隣の木は、そのメチルエステルを察知して危険であることを知り、防御体制を整えるのだそうだ。

植物は匂いで情報交換をしているのではないかと考えられている。


▼次に視覚。植物の視覚は、人間や動物のような目を持っていませんが、変わりに、光に反応する蛋

白質を持っていて、これによって周囲を観察していると考えられている。光の方向や高さ、また強さ

などを鮮明に記憶しているというのだ。


▼このような実験結果は他の植物でも実証されていて、世界中で研究が進められている。確かに、こ

の二つの感覚があるならば「植物はいったいどのようにして季節を感知し、花を咲かすことができる

のか」という問いに対して、答えが少し見えたような気がする。まだまだ謎が多いのが植物。近い将

来、人間と植物の対話が実現する時代が来るかもしれない。おおいに楽しみである。(茨城・NI)


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