コラム

2013/04/16

瀬戸際企業の底力(茨城・HN)

瀬戸際企業の底力


▼先月、経営再建中のシャープがライバル社の韓国サムスン電子グループと資本・業務提携した。サ

ムスンから約103億円の出資を受け入れ、テレビやスマートフォンで世界トップのサムスンに液晶

パネルを供給するという。すなわち「下請け」として生き残りを目指す格好となる。


▼建設業では、東日本大震災からの復旧に伴い型枠工や鉄筋工などをはじめとした下請けが不足して

いる。さらには大型補正と当初予算をセットにした、いわゆる「15カ月予算」で下請け不足へのさら

なる拍車が懸念される。国の方針に呼応し、茨城県土木部でも工事発注の円滑化を進めるも、浸透す

るまでには時間がかかりそう。まさに?猫の手も借りたい?といったところか。


▼一昔前は、厳しい経済環境で元請けとして仕事がとれない中、下請けにまわる企業が増えていると

いう話がよく聞かれた。取材先でも、ある社長さんが「下請けばかりの受注では、会社に未来がな

い」と嘆いていたのを思い出す。


▼しかし、今は復興予算執行の最盛期。だが数年先は誰にもわからない。それでも、どんな形であれ

「仕事を取りにいくぞ」という気概さえあれば、必ず未来への道は開けてくるはず。いま必要とされ

る「下請け」へのニーズに素早く応じることが、厳しい経済環境を生き抜く秘訣かもしれない。


▼サムスンと提携したとは言え、シャープはいまだ資金繰りに苦しむ状況が続く。だが、この正念場

を乗り切れば、起死回生のチャンスがきっとくるはずだ。下請けといえどもオンリーワンの技術を持

ってする企業が原則だ。日本のものづくりへの再起を期待したい。(茨城・HN)


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