コラム

2013/07/05

安倍首相は的を射抜けるか(茨城・KS)

安倍首相は的を射抜けるか


▼約80mも離れた扇の的を射抜いた源氏の武将、那須与一。息子の頭の上に載せたリンゴを貫いたス

イスの狩人、ウィリアム・テル。東洋と西洋の弓の名手である。


▼自・公連立の新政権が始動して半年が経過。安倍首相は物価2%上昇という「インフレターゲッ

ト」の的に向けて?3本の矢?を放った。はたして安倍首相は名射手になれるのだろうか、物議を醸

している。


▼過日、主婦向けの朝のTV情報番組に首相が異例の出演。芸能人らとユーモアを交えて談笑しなが

ら、「女性の活躍」「世界で勝つ」「民間活力」をキーワードとした3本の矢の要といえる「成長戦

略」について真摯に説明していた。その姿に、素直に親近感がわいた。番組内で「アベノミクスと

は?」という11歳の女の子からの質問には「頑張れば夢に近づける社会を作ること」と解りやすく答

え、また、「必ず日本経済は努力と情熱で成長していく」と熱弁。そして「国民の皆さまには自信と

夢と希望を持ってほしい」と訴えていた。


▼しかし先日、成長戦略第3弾の「民間活力の爆発」が発表されたのち、株価が1万3000円を割

った。これに対し大半のメディアは「アベノミクスは賞味期限切れ」などと矢継ぎ早に批判。だが思

い出してほしい。前政権の平均株価は1万円にも満たなかったことを。


▼那須与一は「射損じれば腹をかき切って自害せん」との気概を、テルは隣国の圧政にくじけず、ス

イス人としての誇りと息子への愛を持っていた。安倍首相も愛国心と信念では負けていないだろう。

矢は放たれたばかりだ。見事に的を射抜くその時を、自信と夢と希望を持って見届けたい。(茨城・

KS)


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