コラム

2013/08/13

小さな駅の大きなニュース(東京・JI)

小さな駅の大きなニュース


▼まだ多くの方々の記憶に残っているであろう「JR南浦和の救出劇」は、偶然居合わせた読売新聞

の記者が撮影した写真が世界を駆け巡り、日本の奇跡として各国で賞賛された。


▼読売新聞の報道によると、7月22日午前9時15分頃、電車から降りようとした30代の女性が足を踏

み外し、ホームと列車の隙間にはさまれた。転落に気づいた客が「列車非常停止ボタン」を押し、駆

けつけた駅員2人が引き上げようとしたがうまくいかず、別の駅員がとっさに車両を押したところ、

ホームや車内にいた乗客も一緒に押し始め、約8分後に無事救出された。


▼困難に陥って苦しむ人を、何の見返りも期待せず、何のメリットもないにも関わらず、多くの人が

力を合わせて助けた。このニュースを知った世界中の人々が、日本人の行動に驚嘆したということは、

こうした行為が「善」であると認識しているということだろう。そこに国境はない。


▼東日本大震災を含め、どこかの国で大災害が発生すると、その国に対して世界中から支援者や物資

のサポートが行われている。政治も経済も関係のない、同時代に生きる人間という共通項のみで人々

は善意の行動を起こす。今回は日本で起きた救出劇。しかし世界のどこで起きても、きっと多くの

人々が苦しむ誰かを助けるに違いない。


▼筆者は世界中をホットにさせたこの出来事を翌日知った。その後2日間にわたって、お礼のアナウ

ンスが構内に流れたと聞く。その後時間は経過したが、改めてこの出来事が世界の賞賛を得たことに

感動している。人が協力してひとつのことを成し遂げる素晴らしさを再確認した。(東京・JI)


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