コラム

2013/09/12

3D普及の鍵はデータ(新潟・SS)

3D普及の鍵はデータ


▼低価格で購入できる個人用「3Dプリンター」が、国内の家電量販店で販売を開始した。3Dプリ

ンターとは素材を削って立体物を造るのではなく、プラスチックの樹脂を溶かし、塗り重ねることで

立体物を形成する。商品の試作等に利用されている業務用は数100万〜数1000万円。個人用の

米スリーディー・システムズ製の「Cube」の実勢価格は16万8000円。


▼工務店の注文住宅提案ではすでにCADパースでの提案が当たり前になっており、間取りを作成す

れば自動的に3D化し、完成品を容易にイメージすることが出来る。


▼一方公共の土木工事の図面は、平面図と断面図といった二次元データが基本。熟練の技術者なら平

面図と断面図だけで頭の中で完成形をイメージできるが、若い技術者は図面を見ただけでは、完成形

をイメージすることは難しい。


▼現場では道路や堤防を造成するにあたり平面図から丁張を設置し3次元を表現するが、国交省など

で導入が初まっている情報化施工では、建設機械が三次元データの形状に合わせて自動制御を行うこ

とで、丁張不要の施工が可能である。座標計算や測量も省略できるので大変効率的。しかし現行の設

計図面から情報化施工用の座標データを作成するにはまだ多くの手間がかかるのが現状。


▼今後成長が見込まれる3Dプリンターも、データ作成には専門知識が必要でまだ敷居は高い。容易

に3Dデータが扱えるようになると更なる普及が見込まれる。工事現場も設計の段階で情報化施工を

見据えた形式になれば、3Dデータ作成も容易になり、情報化施工も急速に普及するだろう。(新

潟・SS)


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