コラム

2013/10/11

志ある若者に問われる土壌(新潟・CY)

志ある若者に問われる土壌


▼育児に積極的な男性を指す「イクメン」。ある経済紙のイクメンにまつわる記事が面白かった。保

育園の送迎、週に1日は午後6時に帰宅し風呂に入れる。手伝おうとするも不慣れで、かえって妻に

なじられる…悪戦苦闘ぶりが伝わった。


▼イクメンが育つことは、企業側にもメリットが大きいという。残業代が浮くだけではない。子育て

経験はコミュニケーション能力を高め、効率的に働くコツも身に付くからだとか。


▼「建設業界は、学生や女性の視点からどんな風にみえるのか」。先日、ある女子学生の講演を興味

深く聞いた。建設業従事者の女性の割合は15%ほど。育休制度がある企業は全体の約半数、フレック

スなど育児に対応する制度があるのは約4割だ。結婚・出産後も働きたいが、制度の未整備・相談で

きる女性の先輩がいないなど、アンケートには不安要素が目立つ。専門知識を生かそうという学生の

多くは、公務員を目指すそうだ。


▼一方で、女性技術者の強みをこう語った。対応のきめ細かさ、男性の職場というイメージの中に分

け入らんとする「強い意思、高い目標」。業界の発展には、そんな志ある若者が安心して働ける環境

づくりが不可欠では、と結んだ。明快で前向き。実にさわやかな発表だった。イクメン機運の高まり

が示すように、問題は女性に限った話ではない。


▼研究発表会は建設コンサルタンツ協会北陸支部の主催。各社の精鋭に交じって学生講演を設けたの

は、知名度向上に学生との積極的な交流が欠かせないと考えたからだ。就業者減は悩みの種だが、若

い力に応える土壌づくりもまた、新たな局面を迎えつつある。(新潟・CY)


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