コラム

2013/11/23

他人事ではない高齢化(埼玉・KK)

他人事ではない高齢化


▼ある朝、突然の電話に起された。電話は、病院の看護師さんだった。父親の知り合いが交通事故に

遭ったので、某病院まで来てほしいと言われ、両親を車に乗せ、病院へと向かった。足と腰を骨折し

ていたが、命に別状はなかった。


▼なぜ筆者の家に連絡がきたのだろうか。事故に遭った方は76歳で、町工場に勤務。一人暮らしで近

くに身寄りもいないためだった。唯一、父親のことを思い出し病院でそのことを話していたのだ。


▼一方、事故の加害者は83歳。警察の事情聴取で暗くてよく見えなかった―と話していたようだ。昨

今、80歳を超えた人の運転は決して珍しい事ではない。地方での生活に車は必需品であり、当然の成

り行きだが、高齢者が起こす交通事故も年々増加傾向にある。


▼父親も既に84歳。何もできるわけがなく、病院に相談し、地元の民生委員を探し、手伝ってもらう

ことになった。その後の経過や状況は全く聞いていない。けがの様子からして仕事への復帰は無理だ

ろう。


▼こうした一人暮らしの高齢者がどのくらいいるのだろうか?自分一人ではどうにもできない場合に

一体どうするのか。たしかに老人ホームや施設に入ることができる人はまだいい。年金だけでは厳し

く、生活のために働かなければいけない人も多いに違いない。建設業界でも高齢者を雇って仕事をし

てもらう必要が出てくる。統計的に見れば、30年後には約4人に1人が75歳以上になる。今更だが、

急速に進んでいる高齢化に産官学が一体となって取り組んでいく必要がある。老後のために今から真

剣に考え、行動しないと自分もあっという間に歳をとってしまう。(埼玉・KK)


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