コラム

2013/11/28

パーキングで江戸を味わう(東京・JI)

パーキングで江戸を味わう


▼小学生の息子の授業参観に行くと、道徳の時間に 『江戸しぐさ』を学んでいた。江戸しぐさとは、

江戸時代の町民の粋な行動を指す。たとえば「傘かしげ」は、雨の日に人とすれ違う際、互いの傘を

外側に傾けてぶつからないようにする。「うかつあやまり」は、足を踏まれても「自分がうかつでし

た」と謝ることで、雰囲気を和ませる。授業ではマンガで方法や効果を知り、実際にやってみること

で理解を深めていた


▼「江戸」を体験できるスポットが、12月19日にオープンする。NEXCO東日本が手掛けた施設で、

東北自動車道(上り線)羽生パーキングエリア(埼玉県羽生市内)に整備される『鬼平江戸処』だ


▼この施設は、本物さながらの街並みにこだわり、新築の建物はエイジングという技法でリアルな古

めかしさを追求。漆喰壁にはカビ、柱には刀傷、板張りには苔やシミ、鋳鉄にはサビを見せることで

江戸の町を再現する


▼料理店や売店にも興味がそそられる。作家・池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」に登場する軍鶏料

理屋と同名の「五鉄」、当時の味の代表格である鰻蒲焼を提供する「忠八」、江戸料理研究家監修に

よる「万七」、文化2年(1805年)創業のくず餅店「船橋屋」、伝統工芸品や老舗の菓子などを

販売する「屋台連」など9店舗が出店されるという


▼パーキングエリアは、目的地に向かう際の休憩所として存在する。しかし新たに開設される『鬼平

江戸処』では、休むと同時に往時の文化を舌や目で味わうことができる。エリア内を歩いて食事をす

るだけで、自然と江戸しぐさが身に付くかもしれない。(東京・JI)


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