コラム

2014/01/23

風に向かって走る年へ(東京・HM)

風に向かって走る年へ


▼「1年の計は元旦にあり」と言うので、今年は元日から健康第1とジョギングに汗を流した。久し

ぶりに帰省した実家の周辺を走る。子どもの頃に遊んだ街並みを眺めながら風を切る。高校時代の先

輩が家を建てたとハガキに書いてあった住所がこのあたりだったな、と思い、走りながら表札を見る

と、見慣れた氏名が。なんとその先輩の家の前を偶然走っていた


▼そのまま素通りも失礼かとベルを鳴らしてみる。ちょうど家でのんびりしていたという先輩が出て

きて、およそ10年ぶりに再会した。筆者の予定もあり、20分程度玄関先で話をしただけだったが懐か

しく嬉しかった。1年のスタートとしては幸先がいい。笑顔で分かれてまた走り出す。冷たい風がほ

ほに心地いい


▼建設業団体の賀詞交歓会の雰囲気が明るくなっている。アベノミクス効果で経済は回復基調。公共

事業費も13年ぶりに増加した。先行きがまったく見えなかった数年前の暗さはそこにはない


▼もちろん資材価格や労務費の高騰、若年入職者の確保など、短期長期の課題がまだまだ山積してい

る。それでもどん底を抜け、これからはそうした問題に前向きに立ち向かっていこうという気運が感

じられる


▼建設業に吹く風が変わってきたと言う人がいる。それが本当にいい風向きになるかどうかは、受け

る側次第。健全で魅力ある業界になるためには、目標に向かって走り出すことが必要だ。走る事でま

た新たな風を感じることができる。順風満帆とは行かないが、心地よい風を感じながら走り続けるこ

とが肝要だろう。建設業界の真価が問われる、新しい空気の1年が始まった。(東京・HM)


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