コラム

2014/03/19

だれかの役に立つ喜び(群馬・MN)

だれかの役に立つ喜び


▼「新聞を見たのですが」。仕事をしていて楽しいことも難しいことも多いが、うれしいことは何よ

りも新聞を読んでもらっているのが分かることだ。直接読者と顔を合わせる機会のない筆者にとって、

電話での問い合わせなどで読んでもらっていることが分かると、ついうれしい気持ちになる


▼手掛けたものが必要とされること、誰かの役に立つ喜びは、どんな業種であっても同じだろう。最

初からお礼を期待しているのでは下心が透けて見えて決まり悪いのも確かだが、人は見返りというエ

ネルギーなしに長期間活動することはできない


▼見返りと言うと、つい金品を想像しがちだが、実際はそればかりではない。「ありがとう」や「助

かりました」のただ一言でもそれは十分に値する。むしろ純粋である分だけ金品よりよほど尊い


▼「コンクリートから人へ」というフレーズがシュプレヒコールのごとく列島に響いた時期もあった

が、建設業界に携わる人たちにはどんな時でも背を丸めずにいてほしいと願う。わたしたちが日々生

活する自宅、歩く道路、働く職場、遊びに行く娯楽施設、またもしものときの避難施設まで、「地図

に載るものや身を寄せるもの」はすべて業界の手によるものなのだから


▼さて、きょうの新聞は必要としている誰かの手元へきちんと届いているだろうか。地図に載るよう

な大きなものではないが、日々わが子を送り出すような気持ちで「お役に立っておいで」と願いなが

ら作っている。建物などに比べれば小さなわが子ではあるが、弊紙が誰かの仕事の一助となっている

のならば、それは作り手としてこの上ない喜びである。(群馬・MN)


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