2014/03/25
大型ロットに懸念の声も(茨城・HN)
大型ロットに懸念の声も
▼子供たちの間で『妖怪ウォッチ』が人気である。もとはゲームソフトだったが、コミックやテレビ
アニメの影響で火が付いた。関連商品の『妖怪ウォッチメダル』が発売された途端に品薄となり、子
供たちに行き渡らない事態に。一因には買い占めてネットオークションで高く売りさばく『転売屋』
の存在がある
▼国土交通省は、公共事業の発注方法について、複数年契約や複数工事の一括発注などを自治体に採
用するよう促すことを決めた。一度に発注する事業の期間や規模を拡大させるものだが、人手不足や
価格競争で経営が悪化していた地域建設業者が利益を得やすくする狙いがある
▼原則として、公共事業は単年度で契約するよう定められているが、これをネックと考えた国土交通
省が今回の対応に踏み切った。2014年度に自治体を公募してモデル事業を実施するほか、公共事
業の発注方法に関する自治体向けマニュアルも作成する
▼先進的な自治体として、秋田県が災害復旧工事に限り発注ロットの大型化を昨年末から容認。群馬
県でもロットの大型化施策を進めている。こうした動きが広まることで、人手不足や入札不調の解消
が期待できそうだ。だが懸念材料もある。発注ロットを大型化することで、発注件数が減ってしまい、
多くの地域建設業者に仕事が行き渡らなくなるのではとの懸念も
▼国が複数年契約や複数工事の一括発注を促す背景には、国土強靭化をにらんだ集中的な公共投資が
ある。強靭化予算をいかに活用するかはこれからの課題。『転売屋』のように独占状態とならぬよう、
しっかりとしたマニュアルづくりが求められる。(茨城・HN)