コラム

2014/04/11

尊い生命の教え伝承を(茨城・KS)

尊い生命の教え伝承を


▼第5代将軍の徳川綱吉が敷いた「生類憐みの令」。これは犬だけではなく、猫や魚、虫、幼児や老

人にまで及んでいたという。当時、家畜の牛や馬の遺棄や、金銭的理由などから病人や子どもを捨て

ることが少なくなかったためだ。命の尊さをうたった大事な政策である


▼茨城県の2012年度の犬処分数が3177で全国一だったことが分かった。2位の沖縄県(25

01頭)を大きく引き離し、今回で8年連続。すっかり常連となった都道府県の魅力度ランキングの

ワースト記録とは訳が違って、笑って済まされる話ではない。これではどんなにPRをしても魅力度

は上がらない


▼身寄りのない犬を一時的に保護する県の動物指導センターには12年度、3893頭も収容された。

そのうち野良犬が2494頭、飼い主不明の迷い犬が752頭で、飼い主の直接放棄は647頭にも

上るという。野良犬も飼い主が野放しにしたことによるものも多いはずだ。要は人間のマナーの問題

である


▼2歳の男児がベビーシッターに放棄され死亡した悲惨な事件があった。容疑者の浅はかで卑劣な行

為は確かに許されざるものだが、愛しき命を顔も見えない相手に預ける保護者の行為は考えものであ

る。「経済的に余裕がないから仕方ない」という声もあるようだが、それは言い訳にもならない。命

を抱え、育むということは、大いなる責任と覚悟が必要なのである


▼過日、水戸藩9代藩主の徳川斉昭公が設立した藩校、弘道館が見事に震災復興を遂げた。目に見え

る建物を継承していくことはもちろん大事だが、綱吉公の命の教えを伝承することも忘れてはならな

い。(茨城・KS)


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