コラム

2014/06/04

相撲と重なる人手不足(群馬・AN)

相撲と重なる人手不足


▼大相撲夏場所千秋楽で29回目の優勝を果たした横綱・白鵬。優勝回数29回は大鵬、千代の富士に次

ぐ歴代3位となり、史上最多の32回を超えるのは時間の問題と言われている。しかし、恒例となって

いる優勝後の一夜明け会見をなぜか拒否。その理由については、様々な憶測が飛び交っている


▼白鵬、日馬富士、鶴竜と史上初のモンゴル人による外国人力士3横綱時代が到来した。2003年

の初場所で貴乃花が引退してから11年もの間、日本人横綱は誕生しておらず、国技たる故、日本人力

士に対して歯がゆい思いをしている人も多いはず


▼政府は、建設業における人手不足の現状を踏まえ、外国人労働者の受け入れ期間を2年延長し最長

5年とすることなどを決めた。東日本大震災の復興や東京五輪の開催に向け、さらなる人手不足を見

据えた対策。ただ、あくまでこれは時限的措置であり、根本的な人手不足の解消に向かうとは誰しも

思っていない


▼総務省の労働力調査によると、建設業の就業者数は97年度の685万人をピークに、今では500

万人を切ってしまった。こういった状況と東京五輪に向けた施設整備などの見通しを懸念し、外国人

労働者の手を借りようと政策を打ち出したのだが、懐疑的な見方も多い


▼建設業のものづくりは製造業と異なり、現場で一品一品生産していくシステム。人力によるところ

も多く、天候にも大きく左右される。時限的に外国人労働力に頼ることは今後必要だろうが、人手不

足の根本的解決には結びつかない。日本人横綱の誕生を待ち続ける相撲ファンの気持ちと重なって見

えるのが業界の本音と言えよう。(群馬・AN)


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