コラム

2014/09/03

角度を変えて見てみると(群馬・SS)

角度を変えて見てみると


▼蒸し暑い夏は大嫌いな季節だ。毎年悩まされる花粉症の症状が改善されるくらいの時期に夏の到来を感じるが、その度に早く秋にならないか、涼しくならないかと思っている。嫌な夏の唯一の清涼剤となっているのが高校野球だ


▼ことしの群馬県勢は健大高崎高校がベスト8に進出。「機動破壊」という概念を引っさげて甲子園のダイヤモンドを存分に駆け回った。優勝した大阪桐蔭高校に惜しくも敗れたが、その戦いぶりには全国の高校野球ファンから称賛の拍手が送られた


▼野球というスポーツにはボールを投げて打つというイメージを持っている人が多いと思う。いつだって注目される選手は、剛速球を放ったり、豪快なホームランをスタンドに叩き込む選手だ。だが、ことしの健大高崎が注目を集めたのは足だった。全員が徹底して次の塁を狙うスタイルは、おおかたの人がイメージする野球とはまるで違う。同じスポーツでも見る角度を変えるだけでここまで違うものなのかと感心させられた


▼同じものでも角度を変えて見れば違うものになる。日本銀行本店の建物もそうだ。日銀のホームページによるとバロック様式にルネサンス様式を取り入れた「ネオ・バロック建築」で、秩序と威厳を表現しているという。正面から見ると歴史的な雰囲気に押し付けされそうにもなるが、上から見ると「円」の形。思わずクスリとしてしまう


▼高校野球が終わると秋の到来を感じさせられる。暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい大好きな季節だ。秋が長く続けばいいのに、と思いつつ高校野球の終わりは寂しく名残惜しい。後ろ髪を引かれる思いをしている。(群馬・SS)


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