コラム

2014/09/18

職業選択の視界に入れ(長野・JI)

職業選択の視界に入れ


▼長野県の建設事務所における高校生の現場研修を取材した。まずは所長による訓示である。至近距離で建設行政や業界について話す所長に、黙って顔を向ける高校生。ただし口があんぐりと開いている。覇気がない。自ら志望して研修先を選んでいるのだから興味がないわけではないのだろう。話の内容が難しかったのか


▼若年層の入職者が減った建設業界。その理由として所長は「危険・きつい・汚い」の『3K』を挙げた。ところが高校生は『3K』を知らないという。なるほど悪いイメージを持っていれば、高校で建設分野を専攻するはずはない。外見はぼんやりしている彼だが、建設について、世間とは違うイメージを持っているに違いない。業界にとっては有望な人材だ。あとは口を閉じれば万全である


▼わが娘(4才)の将来の夢はアイドルである。親から見てもそれは無理だろうと思っているが、テレビを見ていると、昨今はアイドルも様変わりしたと感じる。いまやアイドルは「かわいい」のイメージだけでは売れない。まして10年後であれば、テレビもアイドルも存在のあり方が現在とは異なるだろう。奇跡が起きて夢がかなうのかもしれない


▼憲法で定められた、職業選択の自由。だから建設業界に入るのもアイドルにあこがれるのも自由。若者は、その膨大な職種の中から、夢と現実と能力を考慮して仕事を選んでいる。あるいは新たな仕事を創造する


▼業界や企業に新人が来ないのは、若者が選択する際に、視界に入っていないということ。まずは多くの人々の耳目を集めれられるよう情報を継続して出すことが必要といえる。(長野・JI)


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