コラム

2014/10/18

空き家バンク定住促進期待(山梨・TH)

空き家バンク定住促進期待


▼山梨県が発表した基準地価によると、県内の全用途の平均地価 (1㎡当たり)は2万9400円で、22年連続の下落となった。下落率は、3・3%と前年より0・5ポイントの縮小で、1981年の水準。商業地の平均地価は、4万87000円で昨年の過去最低を更新した


▼住宅地は平均地価が3・1%減の2万6600円で、下落率は前回よりも0・5ポイント改善したが、全国で5番目に大きい。アベノミクスによる景気回復が感じられない


▼人口減少も深刻だ。山梨県では今年8月に「人口減少対策戦略本部」を設置した。少子化対策や移住定住対策、地域活性化などで課題整理や施策について話し合い、来年3月までには県独自の対策案を打ち出す。県内人口は2002年に減少に転じ、現在の推計人口は84万437人(9月1日現在)となってしまった


▼人口減少対策の一つとして各市町村でも「空き家バンク制度」を実施している。地域にある空き家を資源と考え、田舎暮らしを希望する人を中心に定住促進を行う。行政が仲介し、空き家の売買、賃貸を希望する所有者から申し込みを受けた情報を、空き家の利用を希望する人に提供している。過疎化、高齢化、遊休農地の増加に悩む自治体にとっては魅力的だ


▼ただ空き家は、実際に住むとなると住宅に手を入れる必要がある。移住、定住となれば仕事のことや生活利便、近所付き合いなどで不安になることも多いだろう。自治体や地域住民は、住まいの橋渡しだけではなく、空き家で暮らす人との「心の橋渡し」を行う必要がある。空き家バンクが人口減少のカンフル剤になればと願う。(山梨・TH)


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