コラム

2014/10/23

懐かしさに思いがけぬ再会(茨城・SA)

懐かしさに思いがけぬ再会


▼実家へ帰省した時だった。懐かしい電車と思いがけない形で再会した。たまたま乗ろうとしていた電車の指定席があいにく満席に。同じ時間帯で特急はないか調べると、ちょうど臨時列車に空席があり、急いで買い求めた


▼帰路につく日に、席を押さえた臨時電車が来る時間に駅で待つと、乗れなかった満席電車が到着。その約5分後に、現在の特急が登場する前に運行していた懐かしい水色のパステルカラーのかいじ号が突然ホームに滑り込んできた。これが今回乗車する臨時列車だったのだ


▼電車の内部は、現在の特急よりも背もたれが低く、上部の空間が広く感じ、そのせいか窓も大きく見えた。席のリクライニングも、段階的に傾く仕組みで、お好みの角度に固定できず苦慮する乗客も。窓際に束ねてあるカーテンもレトロ感がある。前の座席の後方には飲み物を掛けるドリンクホルダーもなく、繊維とゴムにより伸縮する網タイプの籠で、これも懐かしく感じた


▼古い電車で若干の不安があったが、何かの機会かないと乗車は難しい。当初希望した時間に発車する電車には乗れなかったが、しばらくぶりに再開した電車としばしの旅を楽しめた。山々が続く車窓が続くたび、電車を撮影する人も多く見えた。撮影する人も電車に乗る私も、この古い電車との出会いは意外に新鮮だったかもしれない


▼今も電車は新しい車両の開発が続く。今回乗った車両を踏まえて新たに改良された部分が備わるが、古い電車に戻ると実は心地よく使いやすい機能が見つかることもある。ひょんなことから、乗車したレトロな臨時列車から願っても無い体験をした。(茨城・SA)


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