コラム

2014/11/01

けんせつ小町に期待(長野・JI)

けんせつ小町に期待


▼日本建設業連合会が、建設業界で働く女性の愛称を『けんせつ小町』に決めた。今後は日建連の文書や資料で活用されるらしい。国交省や日建連など建設5団体は、女性が活躍できる業界を目指しており、女性技術者・技能者の数も現在の10万人から5年後には倍増させるという。けんせつ小町が業界のあり方を大きく変えることも考えられる


▼気になるのは、土木分野で働く女性の愛称『ドボジョ』。けんせつ小町という言葉には、個人的に爽やかな笑顔で仕事に励む姿をイメージする。一方のドボジョからは真剣な眼差しで懸命に働く姿が想像される。土で顔が汚れても瞳は輝いているような美しさも感じる。魅力ある愛称だけに、消えてしまうのならば寂しい


▼ある自治体の公民館が『女子力アップ講座』を企画した。講座内容は、山の中にある地域最古の寺を見学するというもの。地元の歴史を知り、教養ある女性を目指すらしい。さらに翌月には別の女子力アップ講座が発表された。今度は美容と健康のためのリンパマッサージ。チラシには高齢の女性たちが首筋をさすっている写真が掲載されていた


▼そもそも女子力とは何を指しているのだろうか。周囲に聞くと、若い女性による化粧テクニックやファッションのセンス、料理などが挙がる。しかし拡大解釈すれば、歴史の勉強でも高齢者でも問題ないのかもしれない


▼もっと女性のことを勉強しなければ、いつまでも女子力というものを理解できないのだろう。今宵は女性に関するエッセイ集、ジェーン・スー著『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)を読んで眠ることとしよう。(長野・JI)

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