コラム

2014/11/20

奈良でピラミッド型古墳(茨城・SA)

奈良でピラミッド型古墳


▼奈良県でピラミッド型の古墳発見というニュースを先日、知った。奈良県明日香村にある都塚古墳のことだった。埋葬者は聖徳太子の先祖にあたる、蘇我稲目ではないかと注目されており、今後の調査動向が楽しみである


▼都塚古墳は、石を階段状に積んだ大型古墳で、日本では他に例がないという。高さは東側が約4・5m、西側は約7m。一辺が約40mの正方形の方墳。近くには稲目の息子である蘇我馬子の墓とされる石舞台古墳があり、どうやら関連は高そうだ


▼ピラミッドといえばエジプトにあるクフ王の墓が思い浮かぶが、都塚古墳のルーツはエジプトではなく、中国東北部から朝鮮半島北部を支配した高句麗の古墳に類似するらしい。内部に描かれている壁画は、日本の高松塚古墳に描かれたものと似ていることから、日本と高句麗の結びつきがあったのではという線も強いもようだ


▼茨城県内でも数多くの古墳が点在するが、ひたちなか市にある虎塚古墳が全国的に有名だ。内部の石室に描かれている幾何学的な模様が印象に残る。虎塚古墳の壁画は、ひたちなか郵便局の風景印の絵柄としても採用されており、親しみやすく、地域にとっての宝とも言えよう


▼古墳の規模は埋葬者の権力を示すとも言われる。大型なものは長い工期と、当時としては最新の土木技術が駆使された一大事業だったことだろう。果たしてどのように造ったのか、考えれば考えるほど、古代のロマンは図りしれない。虎塚古墳では先月末から期間限定で内部公開されている。奈良のピラミッド発見の報道を機会に古代の営みを知る見学に出かけてみたいものだ。(茨城・SA)


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