コラム

2014/12/20

衰退が深刻な地方都市(茨城・KS)

衰退が深刻な地方都市


▼とあるツイッターの投稿が話題となっている。街頭演説での一コマで、民主党候補が「見てください! このシャッター街を! すべて自民党のせいです!」と熱弁。すかさず聴衆が「何言ってんだ! ジャスコのせいだ!」と会心かつ痛恨の野次を飛ばしたという


▼民主党代表代行で副総理経験者の岡田克也氏は、父がイオンの前身であるスーパー「ジャスコ」の創業者で、兄が現イオンの社長である。知ってか知らずか見事な野次だ。ただ、自民党政権時の2000年に施行された「大規模小売店舗立地法」によって、大型店出店の規制が緩和されたため、自民党の責任ではないとも言い切れない


▼「地方創生」が取り沙汰される昨今だが、地方では郊外型ショッピングセンターの隆盛で、中心市街地にある昔ながらの商店街は壊滅状態にある。独自性の開花が肝心といわれるが、大型店舗で個性発揮は難しい。地方の衰退はかなり深刻だ


▼ことしの流行語大賞に〝消滅可能性都市〟がノミネートされていた。有識者による民間研究機関「日本創成会議」は政治、経済などの現行システムの疲弊により、日本の自治体の約半数である896もの市町村が、人口減少で消滅の危機にひんしていると指摘


▼アベノミクス効果の地方への遅延が叫ばれている。自民党は鈍る個人消費に火をつけようと、地域商品券の配布を検討しているが、その券を使うお店がなければ意味がない。地方創生のカギは、地方都市の中心市街地のシャッター街や空きビルの復興だ。いかにして店や企業を呼び込み、若年層を引き寄せるのか。地方はもう断末魔の悲鳴を上げている。(茨城・KS)


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