コラム

2014/12/25

サンタは心の中に(長野・JI)

サンタは心の中に


▼現実的な友人に吹き込まれたのだろうか。小学生の息子が、サンタクロースは父親ではないかと疑いを持ち始めた。まだ「疑い」の段階であり、確信には至っていない。彼はこれまで、欲しいものを手紙に書いてクリスマスツリーにぶら下げた長靴の中に入れ、母親に内容を報告していた。しかし今年はなかなか書こうとしない。どうやら欲しいものを親に知られずにプレゼントをもらえるか試すようだ


▼息子は何を欲しいのか、妻は毎日のように聞くのだが、絶対に教えてもらえない。もしこのまま長靴に手紙を入れないのであれば、サンタは欲しいものとは違うプレゼントを届けることになってしまうだろう。それではサンタの存在意義や価値が薄れてしまう。世界中の子どもから愛される白ひげに泥を塗ることになりかねない。早急に手を打つ必要がありそうだ


▼さて、大人たちにサンタは来ないのだろうか。会社や家庭、地域で懸命に生きる大人は、プレゼントをもらえないのか。やはり長靴に手紙を入れなければ、欲しいものは届かないに違いない。恥ずかしがって手紙を書かない人に、サンタは見向きもしないのだろう


▼多くの大人にも嬉しいことや楽しいことはあるはず。その喜ばしい出来事を、サンタからのプレゼントと考えることはできないか。「馬鹿げている」と思うかもしれない。しかし、自分の身に起きた小さな幸せを幻想的な世界と重ね合わせてみれば、また違った味わいが生まれるだろう。心の中にサンタが存在する紳士淑女には、きっと幾つもの幸せが届くはずだ


▼毎日の生活を頑張る大人たちに、メリークリスマス。(長野・JI)


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