コラム

2015/01/21

八ッ場ダムの着工に感慨(群馬・UT)

八ッ場(やんば)ダムの着工に感慨


▼八ッ場ダム本体工事の掘削工事が始まり、いよいよダム本体の建設がスタートを切った。利根川改修改訂計画の一環として調査が始まってからことしで63年。一時本体工事の中止が表明されるなどの紆余(うよ)曲折がありながら、どうにか着工までこぎ着いた


▼本体のコンクリート打設の完了予定は2018年5月までとなっており、堤高116m、堤頂長290・8mにもなる堤体が姿を現すのは、もう少し先になりそうだ


▼八ッ場ダム関連の取材をするとき必ず聞こえるのは、ダム本体の完成がすなわち事業の完成ではない、という言葉。そこで生活する住人の暮らしが安定し、平穏に過ごせるようになって完成となるというのが共通の認識であるようだ。現在もダム建設に伴う生活再建に関する事業が着々と進められており、本年度はダム湖内に水没する旧駅に代わり新設されたJR川原湯温泉駅、ダム湖を跨(また)ぐ橋長494mの八ッ場大橋が完成し、盛大な式典が開かれた


▼ダムを活用した地域振興についても準備が進んでいる。ダムの直下地域となる東吾妻町では、廃線となったJRの廃線敷と国指定名勝である吾妻峡、完成するダムを利用した地域振興の方法が検討されているなど、すでにダムを活用した地域振興に向けた動きも始まっており、ダム建設を前向きに捉えて前進を始めている。そこで生活する住民にとっては、ダムの完成後こそが重要となるのだろう


▼これから復興事業や2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、大型の公共事業が進んでいく。どのような事業でも地域に長く愛されるような施設となってほしい。(群馬・UT)


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