コラム

2015/02/26

過去より今が大切(新潟・HT)

過去より今が大切


▼新潟県内の今冬は雪の積もる時期が早かったが、車のタイヤ交換は遅れた。早い時期の「初雪は積もらない」と、世間一般に通用している通説を信じ、天気予報を無視した結果である。全国的に今冬の降雪は記録的なものだったそうだが、意外にも新潟県内の初雪は昨年に比べ遅かった。天候について今の降雪を知るため、どの程度なのか、過去の降雪記録とよく比較される


▼新潟市は最低制限価格に業者の入札価格が集中し、くじ引きが多発していることを踏まえ、年末から5000万円未満の工事について「10分の9に満たない場合は引き上げます」として最低制限価格を引き上げた。新潟県では最低制限価格を90%以上としているが、これまで新潟市では「他の政令市の平均落札率と比較して低い数字ではない」とし、90%以上への引き上げは行わなかった


▼最低制限価格で大切なのは工事の品質確保と、受注者が適正な利益を確保して経営を維持できるかだが、新潟市が引き合いに出したのは、あくまでも他県の都市であった。そもそも最低制限価格の設定に、落札率を持ち出すこと自体も間違いなのかもしれない


▼ある協会の会合での話である。「数年前に比べれば、ここ最近は明るい兆しが見えた」と景気のよい話題が多い中で、「良い時に比べれば、まだまだ半分程度だ。去年より減った、増えたの話ではない」と襟を正す声が聞こえた


▼過去と現在を比較する前に、今を生きる人にとって最も大切なのは「今は、どうか」であろう。赤字ばかりで経営が成り立たない場合には、過去と比べることもなく結局は「言葉にならない」のである。(新潟・HT)


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