コラム

2015/03/12

むずかしい意見集約(茨城・HN)

むずかしい意見集約


▼福島第一原発事故により、飛散した放射性物質で汚染された指定廃棄物の処分方法を決める市町村長会議が茨城県内で開かれた。民主党政権時代に一度は高萩市内に処分場建設が決まったが、市町村の意見を軽視したことや、住民の猛反発によって処分場建設事業は一時停止した。その後、自民党政権に交代し、市町村の意見をしっかりと聞いた上で物事を決める流れとなった


▼処分場建設の対象となっている各県1カ所ずつ建設する国の方針に対し、市町村からは現地保管を継続して既存処分場を活用すべきとする意見が多く聞かれた。市町村長の意見を尊重したいとする国の考えに対し、記者からは「現地保管での継続と既存処分場の活用を了承したら、他県でも同じ声が挙がり、国の考え方と違いが出るのではないか」との指摘があった


▼環境省の小里泰弘副大臣は「各県によって事情は違う。茨城は公的施設で管理されている。14市町村からの総意にできるだけ沿いたい」と対応した。会議は進展するどころか、他県に違った方向性を提供する紆余曲折の様相を見せている


▼震災から4年が経過したにも関わらず、いまだ指定廃棄物の処分方法が決められない。確かに民主党政権時代のように国の方針として即断せずに、自民党のように市町村長の意見を聞くことは大事かもしれない。しかし、これほどの期間を設ける必要があるのだろうか。アンケートで市町村に意見を求めた前回会合から、すでに1年が経過している


▼一時保管の14市町村による協議は4月からスタートするが、「そこからさらに1年」なんてことだけは、ご遠慮願いたい。(茨城・HN)


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