コラム

2015/05/14

賑わい継続はいつまで(東京・KK)

賑わい継続はいつまで


▼新幹線が地域経済に与える影響は非常に大きい。これまでに開業した地域では例外なく新幹線開業の恩恵を受けている。北陸新幹線「長野―金沢間」開業に沸く北陸地域も当然ながら企業誘致や観光客の大幅な増加により、大きな経済効果が表れており、黄金週間も盛況だった


▼北陸新幹線に乗り、約20年ぶりに訪れた金沢の町並みはすっかり様変わりしていた。金沢駅を降りるとすぐに目に飛び込んで来る「鼓門」と「もてなしドーム」が観光客を温かく出迎えてくれる。金沢城は復元整備が進み、以前には存在しなかった門や櫓、庭園が出現し、城内にあった金沢大学のキャンパスは郊外へ移転していた


▼日本三大庭園の一つ「兼六園」では人々が賑わっていた。また、日本建築学会賞作品賞をはじめ数々の賞を受賞した「金沢21世紀美術館」には老若男女が集い、非日常的な空間で自由な時を過ごしていた


▼外国人旅行者も目立ち、特にヨーロッパからの旅行者が多いことに驚いた。アクセスが良くなったことに加え、世界的に有名なガイドブックで文化と歴史、自然景観に恵まれた観光地として「北陸」が世界4位になったことが大きな理由のようだ


▼沿線駅への停車を巡り、一時は計画どおりの開業が危ぶまれた北陸新幹線だったが、「長野―金沢間」が無事に開業したことで、今後は関西方面への延伸に夢が膨らむ。交通の利便性が向上したために、大都市圏へ人口が流出するストロー現象が危惧される中、これから金沢市などは、都市の真価が問われることになる。都市の魅力をさらに向上させて、まずは現在の賑わいを継続することが重要だ。(東京・KK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら