コラム

2015/05/20

まずは心からもてなし(群馬・MN)

まずは心からもてなし


▼手に持った赤い旗を振って一時停車を求め、停まった車にお辞儀をする。交互通行交換時には再びお辞儀をして、笑顔で白い旗を振り進行を促す。近ごろこんな快い誘導をする交通誘導員が増えたように感じる。誘導員とは時間にしてほんのわずかな交流だが、さわやかに送り出されるとやはり気分がいい


▼現場の代表者と言えば、業界的には当然、主任技術者や現場代理人だろう。しかし、建設業界とは無縁の通行人にとってはそうではない。工事現場は安全のために囲まれて外からは見えづらく、おのずと囲いの外に立ち、じかに接する交通誘導員が代表者となり、彼らの対応によって現場や工事の印象が大きく左右される


▼2020年の東京オリンピック開催を決定した国際オリンピック委員会総会で、滝川クリステルさんが「おもてなし」とスピーチしたのは記憶に新しい。「もてなす」とは、心を込めて相手に対応すること、歓待の心で対すること


▼交通誘導ひとつで大げさかもしれないが、「もてなし」の心を持つことで行動が変わり、ひいては公共工事の印象も変化するかもしれない。些細なことだが、道のりはすべて小さな一歩から始まる


▼コミュニケーションとは互いに意思や感情、思考を伝え合うことだ。口先だけのうわべではなく、親身になって相手の話を聞き、相手の立場で考え、思いやることがコミュニケーションの神髄。言葉を交わさずとも表情ひとつ、お辞儀ひとつで伝わる心もある。すれ違う誘導員さんに「お疲れさまです、頑張ってください」と心の中でエールを送り、彼らのコミュニケーションを見習っていきたいと思う。(群馬・MN)


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