コラム

2015/06/19

何が起こるか分からない(新潟・HT)

何が起こるか分からない


▼「国家戦略特区で何が変わるんだ?」建設会社の専務、いずれ社長となる二代目が尋ねてきた。新潟市が、農業分野での国家戦略特区に指定され、農業法人の設立や融資制度、農家レストランなどの農業分野の規制緩和などの優遇制度が打ち出されている。正直、特区効果により直接、地元建設業者の仕事が増えるような話は、まだ聞こえない


▼二代目は、本業以外に農業分野への進出は考えていないとし、先日まで「最近、仕事が忙しくて、ようやくことし、19歳の新人を1人雇ったところ」と話していたばかりだ。直接、関係するといえば農家レストランの建設工事ぐらいといったところであるが、「何が、あるか分からないし、調べておいて損はない」と語る


▼数年前までは、特に民主党政権下では、新分野への進出を促す声が聴かれたものの、一時期に比べ、説明会やセミナーの取材も減った


▼昔は、公共工事を請け負う会社に就職すれは、一生食うには困らないと言われたそうだが、かつての時代に、今の状況を誰が予想できただろうか、公共投資も一時期の苦境に比べれは、やや上向きにはなっているものの、まだまだ十分とは言い難い。さらに今では入職者がいない。若手の確保に苦労する時代である


▼農業特区効果により、コンビニチェーンが農業に進出するほか、通信業者は、新たな営農管理システムの実証実験を展開する。今のところ特区で話題に上るのは、大手企業が中心だが、農業特区も地方創生もまだ始まったばかりである。これから何が起こるかは、誰にも分からない。裾野が広い建設業だけに何事にも貪欲にということである。(新潟・HT)


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