コラム

2015/06/23

腐敗の一掃を期待する(茨城・HS)

腐敗の一掃を期待する


▼スポーツ競技団体として世界最大規模を誇るといわれる国際サッカー連盟(FIFA)に激震が走っている。ワールドカップ誘致をめぐる汚職で幹部が逮捕され、再選を果たしたばかりのブラッター会長も結局は辞任を表明した


▼2018年のロシア大会に向け2次予選が始まったばかりだが、今後の進展次第で開催国が変更される可能性さえある。それは22年のカタール大会も同じこと。開催国の決定は投票で決まるが、誘致活動に賄賂のやりとりがあったとして副会長らが逮捕されたいうのがこれまでの流れだ


▼拡大路線のブラッター会長は、アジアやアフリカでのワールドカップ開催を誘導することで支持を集めてきたとされる。放映権料も異常なまでに値上がりし、フランス大会(1998年)が6億円だったのに対し、ブラジル大会(14年)は400億円にまで跳ね上がったという推計もある


▼あくまでこれは日本向けであって、全世界で見れば数字はもっと増加する。ビジネス面だけで考えればかなり優秀だといえるだろう。しかし、放映権料が上がれば視聴者の負担も増えるという側面も忘れてはならない


▼サッカーはボールさえあればどこでもできるスポーツだ。いや、そのボールさえ、途上国の子どもは丸めた紙で代用する。お金がかからないこそ世界中に広がったスポーツを、一部の人間がお金に物を言わせて支配するのは許されざる行為だ。12月に行われる再度の会長選には、すでに元日本代表監督のジーコ氏が立候補を表明している。人格者として知られ、超一流の選手だった氏であれば、横行した腐敗を一掃してくれると期待したい。(茨城・HS)


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