コラム

2015/06/24

キャンサーにアンサー期待(群馬・AN)

キャンサーにアンサー期待


▼体の外側から光を当て、がん細胞を死滅させる光免疫療法が開発されたとの報道があった。治療法は、がん細胞に結合するたんぱく質(抗体)に近赤外線で化学反応を起こす物質を加え、体内への注入後に体の外から近赤外線を当てると、がん細胞が消えるというもの。米国立衛生研究所の日本人研究者らが開発したそうだ


▼日本人は毎年100万人強が死亡しているが、うち、がんの死亡者は30万人強と言われている。がんに対しては早期発見と治療が何よりも大切。医学の目覚ましい進歩もあり、早期がんは治せる病気となった


▼しかし、がん治療を巡っては、群馬大学医学部付属病院や千葉県立がんセンターで、腹腔鏡手術後に患者が多数死亡するなどの事故が相次いで発覚。新潟県立中央病院では、食道がんと診断された患者の治療が2年以上放置されていたとの報道も


▼群馬大学医学部付属病院には、先進医療の1つである重粒子線照射施設がある。重粒子線治療は、がん病巣に集中して照射できることや一般の放射線で効果を得にくい、がんにも効くなどの特長を有するが、今では厚生労働省からの要請を受け、照射治療を含めた先進医療の新規患者の受け入れを停止している


▼日本人の最も多い死因は、がんによるものだ。研究中の治療法も含め、がん完治への期待は大きい。ダジャレではないが、近い将来、がん(キャンサー)への明確な回答(アンサー)が確立されれば、風邪をひいて病院を訪れた時のように「これは○○がんだね。薬を出しておくから」といった医師とのやりとりも聞かれよう。1日も早い実現に期待したいところだ。(群馬・AN)


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