コラム

2015/06/25

対岸の火事迫る(茨城・KS)

対岸の火事迫る


▼人間をゾンビ化させる恐ろしきウイルスのパンデミック(爆発的流行)を描いた映画、「ワールド・ウォーZ」。劇中でも世界的感染の始まりは朝鮮半島だった


▼隣の韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大がパンデミック一歩手前の様相だ。6月18日現在で感染者165人、死亡者23人、隔離対象者6700人超。症状は発熱、せき、息切れと風邪に似たものだが、ワクチンや治療法はなく致死率は約40%に及ぶという。終息の見通しが立たず、世界保健機関(WHO)は同18日、「ウィルスは感染力が強くなる方向に変異していない。時間はかかるだろうが終息させられる」との見通しを示したが、4次感染者が確認された今、到底不可能に近いかもしれない


▼韓国の朴大統領がMERSに言及したのは、最初の感染確認から12日後。さらに感染者を治療している病院が公表されたのは18日後だった。この後手過ぎる対応に支持率は急落し33%に。日本も対岸の火事とは言っていられない。厚生労働省によると、日本と韓国の人の往来は年間500万人以上にのぼる。しかし未だに外務省は渡航禁止を発令していない


▼公共施設の長寿命化の時代。対症療法型から予防保全型への転換が叫ばれて久しい。人間の健康でも同様であるはずだが、まだまだ常識とはなっていないようだ


▼今月13日、日本の超党派国会議員約20人が親善サッカー試合のため渡韓したという。今、日本の政治家がもたらすべきは、健全な景気の持続だ。MERSの潜伏期間は2週間。この中から日本感染者第1号が出ないことを祈るばかりである。(茨城・KS)


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