コラム

2015/07/23

ビッグプロジェクトの行方(群馬・SS)

ビッグプロジェクトの行方


▼新国立競技場の建設が揺れている。東京オリンピック・パラリンピックが2020年に迫る中、建設費に批判が強まり、計画を白紙撤回するなどの混乱を招いた。当初1300億円を見込んでいた建設費が2520億円にまで膨れあがったのだから、異論が相次ぐのも当然と言える


▼せっかくオリンピックが開催できるのなら、予算が許せば最高級のおもてなしをしたい。誰もがそう思っているに違いない。だが、与野党から建設費への批判が続出、政権側も支持低下に危機感を踏まえて、安倍総理は、計画を再検討する省庁横断チームを発足させ、整備計画再検討推進室を設置


▼群馬県では高崎競馬場跡地に計画するコンベンション施設整備の賛否が割れている。1万㎡超の大規模な展示場を建設し、交流人口の拡大などを目指す構想。県は経済波及効果が年間128億円と具体的な数字を示し、整備の有意性を訴えている。一方、反対意見は「見通しが甘すぎる」「そんなに人が集まるはずがない」と手厳しい


▼7月の知事選でも争点の一つになり、推進派の現職が圧勝した。だが、現職側に付きながらも計画反対を公言する首長もいる。県内のリーダーは決して一枚岩ではなく、合意形成は図られていない


▼新国立競技場とコンベンション施設。共通するのは国と県を代表する一大プロジェクトであること。規模が大きい分、成功に導くことができればその効果は計り知れない。しかし、もし失敗したら財政にとてつもないダメージを与える。ハコモノ批判も免れない。計画をよく煮詰めて、全員が幸せになれる施設整備が行われることを願っている。(群馬・SS)


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