コラム

2015/09/10

高速の支えはインフラ技術(新潟・内藤)

高速の支えはインフラ技術


▼『JR中央線の謎学』 (河出書房新社)を読んだ。東京―名古屋を結ぶこの路線は通学や帰省など子供のころからよく利用し、馴染みがあるため特に注意深く読んだ。中央線から武蔵野線に直接乗り入れる列車の存在があることなど、数多くの興味深い内容が書かれている


▼その中でもこの路線で常々疑問に思っていた点について、「なるほど」と思えることが随所に見られた。その一つはダイヤの乱れが多く発生すること。最大の原因は、山梨や長野からの特急や貨物列車など長距離列車が多く、山岳を走っているため天候の影響で遅れやすく、特に東京に入ってきた通勤列車は特急に線路を譲らなければならないためだ


▼また、特別快速や通勤快速など、速度や停車駅の異なる列車が同じ時刻を走っていることも要因としている。複雑さゆえに、ひとたび乱れると元に戻すことは難しいとあった


▼東京―名古屋を結ぶ鉄道と言えば東海道新幹線が思い浮かぶ。しかし、中央本線もこの区間をつないでいる。東京から名古屋まで行くには乗り換えに伴う時間が掛かるために、早くたどり着くことはできない。しかし、今後は、中央本線と途中まで並走に近い形で計画されているリニア中央新幹線も品川―名古屋間を40分で結ぶことから、先々はこちらが主要な移動路線になるかもしれない


▼リニアは鉄道としては世界最高速度となる時速600㎞台での走行に成功した。リニアの最高速度が更新されていくこと、緻密なダイヤ、安全性など、鉄道には日本が誇れるものが数多くあるが、それを支えているのは間違いなくインフラ技術であろう。(新潟・TN)


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