コラム

2015/10/01

さとり世代の仕事選び(茨城・HN)

さとり世代の仕事選び


▼ユニクロを展開するファーストリテイリングが10月から週休3日制を導入する。国内約840店で働く地域正社員(転勤のない社員)約1万人を対象に実施する。週休3日制と聞いて、記憶に新しいのが、人材サービス会社の㈱ビースタイルが以前発表した勤務形態。週休4日で月収15万円という「ゆるい就職」が注目された


▼ビースタイルは正規雇用ではないため、あくまで「自分探しのための一時的な雇用の場」。だがユニクロは、1日8時間の勤務時間を10時間に延長することで、月収の金額を下げることなく正規雇用を可能にしている。2社が提案する新たなワークスタイルは、淡泊で高望みしない「さとり世代」に魅力的に映ることだろう


▼大成建設は8月にワークライフバランス(WLB)支援の一環として、パートナーと考える仕事と生活の両立セミナーを開いた。㈱ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長が講演。小室社長は「WLBの確立が、社員と企業にウインウインの関係をもたらす」と話した


▼「しっかり働いて、しっかり休む」。そんな勤務形態の話題が多く聞かれると「先行きは明るいのでは」と楽観視してしまう。しかし現実は甘くない。地元の建設業者の現場から聞こえてくるのは週休2日制を切望する声である


▼さとり世代からすれば、ユニクロやビースタイルのようなワークスタイルは魅力的かもしれない。だが家族や生活、夢のため、脇目もふらず仕事をしている人たちが大勢いる。さとり世代は堅実な人が多い、という見方もある。ならば理想ばかり追い求めず、現実的な目線で就職し、仕事への喜びを感じてほしい。(茨城・HN)


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