コラム

2015/11/05

引越理由は住宅改修補助?(埼玉・SW)

引越理由は住宅改修補助?


▼埼玉県飯能市が定住促進、人口増加策として有効な手段となり得る住宅リフォーム資金補助金制度を2015年度に創設した。実施にあたっては住宅関連産業を中心とした地域経済活性化につなげられるよう、工事費の5%分が受注した市内事業者に補助金として交付される


▼市では申請件数を130件と見込んで事業費1000万円を確保したが見込み以上の反響があり、9月補正予算で1000万円を上乗せした。市でもここまでの反応とは思っていなかっただろう


▼対象施設は市内在住者あるいは市内転入予定者の自己所有居住住宅またはマンション。主な対象工事は住宅改修、増築、屋根葺き替え、塗装、外壁補修、台所、風呂、トイレ改良工事など。また工事費が税抜き20万円以上で、補助金額は工事費の5%で限度額10万円。これにより、所定の条件を満たせば工事発注者の負担は95%で済む。5%の補助では微々たる金額かもしれないが、全額負担よりはいい


▼市によると、転入予定者にも利用可能なリフォーム資金補助金制度は空き家バンク制度の一環で、ときがわ町での実施例があるが転入予定者を対象としたリフォーム資金補助金制度は県内初という。これも飯能市の魅力アップにつながるだろう


▼人口が、開発などで一時的に増加することはあるが、将来的に減少の一途をたどるのは避けられない。今回の施策が住民税などの税収増につながり、ひいては地域のにぎわいにつながる。財政負担が大きくなく、少ない費用で一定の効果が得られるなら、他自治体への波及も考えられよう。今後どのような動きになるのか注視したい。(埼玉・SW)


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