コラム

2015/11/26

高速道路整備で企業誘致を(山梨・MK)

高速道路整備で企業誘致を


▼人口減少対策、企業誘致が全国各地の課題になっているが、高速道路の開通効果で企業誘致が進んだ地域がある。京都府の北西部を走る京都縦貫自動車道の沿線地域だ。1998年から15年間の立地は約100企業に及ぶ。中部横断自動車道の開通(山梨県増穂IC~静岡県新清水JCT)を2年後に控える山梨県の総合研究所が調査した


▼京都縦貫道は京都市と舞鶴港を擁する宮津市を結ぶ約100㎞。工業が集積する京阪神地区から舞鶴港までの移動時間の短縮で物流効果が上がり、沿線の企業立地が進んだ。さらに、京都市という日本最大級の観光地と日本三景の一つ「天橋立」で名高い宮津市が短時間で結ばれたことで観光消費額も増加。京都市内を観光した後に天橋立まで足を伸ばした観光客による相乗効果と見られている


▼これらは、山梨県が設置した中部横断自動車道沿線地域活性化ビジョン策定委員会で紹介された。県西南部の峡南地域を走る中部横断道の沿線地域も人口減少に悩むが、2年後の全線開通を好機としてとらえ企業誘致に取り組んでいる。その参考事例として京都縦貫道の沿線地域が取り上げられた


▼京都縦貫道の沿線も人口減少エリアであるが、高速道路の開通で企業立地に成功。沿線地域の1事業所当たりの製造品出荷額も88年から13年までに約4億円から約12億円に増加した。舞鶴港の取扱貨物量も93年から13年までに約820万tから約1100万tに増加している


▼関東地区でも過日、圏央道の埼玉県区間が全線開通。物流が変わりつつある。高速ネットワークの整備を企業立地、地方創生への追い風としたい。(山梨・MK)


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