コラム

2015/12/03

地名には訳がある(茨城・SA)

地名には訳がある


▼地図を眺めていると、当たり前の話だが多種多様な地名が存在する。漢字が読めない難読なもの、カタカナと漢字を交えた珍しいもの、当て字のような読み方を持つ地名もある。地名には重要な謎があるのかと関心があったため少し調べてみた


▼茨城県内の珍しい地名としては、ひたちなか市の那珂湊に「沢メキ」という地名がある。これは、過去に付近を「ざわめいて」流れていた川の音から由来するそうだ。ちなみに沢メキの近くには「道メキ」があり、こちらも川の水が「どどめいて」流れる音からという説がある


▼難読地名で比較的多いのは北海道だろうか。面白内(おもしろない)、敏音知(ぴんねしり)、訓子府(くんねっぷ)など独特な読みの地名が目立つ。これは北海道原住民の言葉、アイヌ語から由来。道内の約8割ほどが同じケースという


▼名称の由来を調べるうちに、とある場所が危険な性質を持った場所であることを示す漢字が見つかった。「野毛」という地名が神奈川県横浜市にある。これは「崖」の意味を指す。野毛の一部で近年、甚大ながけ崩れが発生した。被害を経験した人が、後世その場所で生きる人に対し、危険を警告する言葉を地名に残すこともあるという。自身の住む場所の漢字に隠された謎を知ることも必要なのでは


▼各場所に残る地名は、そこに生まれ育った人にとって大切な故郷を示す。市町村合併により代々受け継がれてきた名前が消えることがあったとしても、字名やバス停の名称にこそ、その形跡が残っていることもある。由来を知り、後世に伝えることは、記録を刻む記者の役割でもあり、大事なことである。(茨城・SA)


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