コラム

2016/03/12

制度理解し地酒で乾杯(長野・JI)

制度理解し、地酒で乾杯


▼長野県内の建設業界団体を取材していると、懇親会に出席する機会が多い。昨年末の忘年会シーズン以降、懇親会スタート時に一つのフレーズが合言葉のように参加者の間で繰り返されるようになった。それが『乾杯条例』だ。地酒の普及促進を目的に昨年12月に制定された。これにより懇親会の乾杯は地元産の清酒で行われる機会が増えた。県内の酒造業者も喜んでいるだろう


▼条例で言う地酒は清酒のみではなくワインやビールも含まれる。もしかすると、おしゃれなレストランやバーでも恋人たちが「乾杯条例」と言いながらグラスを合わせているのかもしれない


▼建設産業界では女性技術者の活躍に向けた動きが活発化している。長野県では、女性技術者と県知事による意見交換会も行われた。仕事上の課題や資格取得などがテーマとなったほか、女性が働きやすい現場の話題として上がったのがトイレだ。男女兼用で設置することについては、気にする人も気にしない人もいた


▼県職員が「女性専用トイレの設置は、協議で設計変更対象になる」と説明したが、参加した女性技術者の中で、女性専用トイレも設計変更対象も認識していた人は皆無だった。使用対象者自身が知らなければ、申請することもないだろう。女性技術者が活躍できる環境にするには、あらためてルールや基準を認識・共有すべきだろう


▼乾杯条例の基本理念では、地酒普及促進のほかに『個人の嗜好および意思が尊重されること』も掲げられている。しかし実際は個人の好みや意思よりも地酒、それも清酒が尊重されている。制度普及は地酒普及よりも難しいようだ。(長野・JI)


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