コラム

2016/08/05

集客装置としてスタジアム(山梨・MK)

集客装置としてスタジアム


▼山梨県が総合球技場の整備を目指し検討委員会を発足させた。初会合では、Jリーグスタジアム推進グループマネージャーの佐藤仁司氏がスタジアム改革について説明


▼Jリーグは6年前にスタジアム専門の部署を設置し、日本の競技場環境の改革に着手。従来の国体標準の競技場を抜本的に改め、スタジアムを文化的・経済的に地域に貢献する施設と位置付ける。スポーツを「集客装置」と捉え、まちの活性化に寄与することが基本的な考え方だ


▼参考例として佐藤氏は、ヨーロッパのスタジアムを紹介した。スイス・バーゼルにある球技場は郊外に立地するが市電で行けるアクセスで、ショッピングセンターが隣接し、会議室もあり商談も可能。試合がない日でも地域の人が利用し、スポーツ以外で収益を確保している。その他、ホテルやレストラン、介護付き高齢者用集合住宅を併設している球技場も。そしてスタジアムが「まちのシンボル」となっている


▼日本でも集客を意識したスタジアムが増えている。大阪府吹田市のスタジアムはエンターテイメント・商業施設と一体となったエリアに立地。来年3月に完成予定の北九州市のスタジアムは小倉駅から直線で500mの距離で、まちなかのにぎわいを取り戻すことも狙っている。国内では山梨県をはじめ15のスタジアム構想があるという


▼県では総合球技場をリニア中央新幹線の新駅近郊に整備することを想定する。球技をする人はもちろん、観戦に訪れる人も楽しめ、立地地域の活性化にも寄与できる施設となれば素晴らしい。地域に愛されるスタジアム計画となることが楽しみだ。(山梨・MK)


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