コラム

2016/12/15

頑張れ!稀勢の里(茨城・KN)

頑張れ!稀勢の里


▼大相撲の大関、稀勢の里寛(きせのさとゆたか)が年間最多勝を受賞した。日本出身力士としては1998年の横綱・若乃花以来18年ぶりの快挙だ。一方で、優勝していない力士が年間最多勝を達成するのは年6場所制になって初めてのことで、素直には喜べない珍記録も打ち立ててしまった


▼稀勢の里は茨城県牛久市出身。中学卒業後に入門し、18歳3カ月で幕内昇進を果たした。茨城県内での人気は高く、終盤の優勝争いの一番では県民の多くがテレビにかじりつく


▼だが人気があるからこそ批判も多い。横綱昇進を常に期待されながらも、ここぞという取り組みで星を落としてチャンスを逃すと「腰が高い」「稽古が足りない」「精神面が弱い」など、辛らつな言葉を投げかけられる。優勝争いに何度も加わりながらも、初優勝を同じ大関の琴奨菊や豪栄道に先を越されてしまったことに不甲斐(ふがい)なさを感じるファンも多い


▼それでも、休場することなく毎場所コンスタントに白星を積み重ねているのは事実。強い精神力で余人の及ばぬ修練に打ち込んでいるに違いない。勝負事は運の要素も大きく絡む。優勝という明確な結果が出せないとはいえ、安易に批判をすることには抵抗を感じる


▼相撲に限らず、継続して結果を出していくというのは一番大変なことだ。努力が常に報われるとは限らない。時間をかけて周到に準備をしても外的要因により結果が出せないこともある。それでも腐らずに努力や準備を怠らなかったからこそ、稀勢の里は年間最多勝を受賞できたのだろう。十分賞賛に値すると思う。来年こそは賜杯を抱く姿をファンに見せてほしいものだ。(茨城・KN)


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