コラム

2016/12/20

「あずさ」が運行50周年(茨城S・A)

「あずさ」が運行50周年


▼中央本線の新宿駅から長野県の松本駅を結ぶ特急 「あずさ」号が、運行開始からことしで50周年を迎えた。現在、車内の座席後部には「50thありがとう」と記したシールが張られている。帰省時によく利用しており、安全な移動に感謝の気持ちでいっぱいだ


▼「あずさ」は1966年12月12日に開業して以降、半世紀にわたり地方から首都圏への移動や観光振興に役立っている重要な特急列車。富士山が世界文化遺産に登録された影響からか、最近は新宿から乗車する大きなリュックを背負った外国人観光客を多く見掛ける。座席で耳を澄ますと多種多様な言語が車内を飛び交い、外国にいるのかと錯覚することもある


▼中央本線は山間部を縫うように走り、カーブ区間が多い。高速化するためには、この区間を早く通過することが課題となっていた。解決方法として1993年に導入した主力車両の「スーパーあずさ」には、カーブ時に車体を内側に傾斜させ、乗客への遠心力の負担を軽減する「振り子式車両」が採用された。これにより山間部の時間短縮が図られ、新宿~松本間を2時間30分程度で運行が可能となった。多くの人々の知恵と長年の研究により実った成果だろう。中央本線を利用する者としては感謝しきり


▼スーパーあずさも導入から月日が経ち、乗り心地の悪さが指摘されている。後継に、従来の振り子式に変わり空気ばね式の新機能が備わった「E353系」という車両の実験走行が行われている


▼新車両の導入時期は明らかになっていないが、これから半世紀、100周年へと従来のDNAを受け継いだ新車両に期待したい。(茨城S・A)


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