コラム

2016/12/23

過ぎ去るものと残るもの(新潟Y・S)

過ぎ去るものと残るもの


▼台風一過という言葉がある。台風が通り過ぎた後、空が晴れわたり良い天気となり、まるで何事もなかったかのように姿を消していくということ。一方で「台風の目のような人」という言葉も耳にする。とても慌ただしい状態を引き起こし、周りに大きな影響を残す人だ


▼年末となり一年を振り返ると、8月はトリプル台風と呼ばれる9、10、11号が発生したことを思い出す。中でも10号は「ライオンロック」「Uターン台風」「迷走台風」と名付けられ、太平洋側からの上陸という史上初の進路で東北地方を直撃。多くの被害を与えた


▼気象庁による1981年~2010年の30年間を基にしたデータでは、7月~10月に発生・上陸した平均値が最も高く、他の月と比べると、最大約3倍。不規則な経路をとる傾向もあるそうだ


▼夏はそんな時期でもあるが、全国で音楽ロックフェスティバルが開かれ、盛り上がりを見せる。日本4大ロックフェスの中でも、新潟県湯沢町の苗場スキー場で開催される、FUJIROCKFESTIVAL(フジロックフェスティバル)や、茨城県ひたちなか市のROCK・IN・JAPAN・FESTIVAL(ロックインジャパンフェスティバル)などには、国内外から数多くアーティストやファンが集まる。観客動員数は年々増加傾向で、15年のロックインジャパンでは4日間で約25万人を記録した


▼会場で人々は狂喜乱舞する。しかし、最低限のマナーや暗黙の了解はあり、そこには確かに素晴らしい瞬間が存在する。台風のような楽しい時間は、まるで何事もなく過ぎ去っていく。人生や世界観を変える「何か」を私たちに残して。(新潟Y・S)


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