コラム

2016/12/27

目標目指してバトンパス(群馬・TF)

目標目指してバトンパス


▼夏に開催されたリオオリンピック。さまざまな競技で日本選手の躍進が目立った。陸上男子400mリレーではトラック種目で初めて銀メダルを獲得。100mのタイムが9秒台の選手が一人もいないチームにもかかわらず、巧みなバトンパスで世界に衝撃を与えた


▼15年前から採用している「アンダーハンドパス」技術に磨きを掛け、世界レベルに劣る走力を補った。アンダーハンドパスはバトンを受ける側が腕を振る動きの中で受けるため、スムーズに加速できるのが特徴。緻密に計算されたバトンパスは最大限の加速力を生み出し、アジア新記録も樹立した


▼「One for all、All for one」という有名な言葉がある。一人はみんなのために、みんなは一人のためにという意味で、アレクサンドル・デュマの小説「三銃士」が由来とされている。多勢に無勢の状況下、自身への鼓舞と連帯意識を呼び覚ますモットーとして用いられた


▼甘えや馴れ合いのためにみんながいるわけではなく、個が自立しているからこそチームプレイによる相乗効果が生まれる。時計は秒針と短針、長針があるから時を刻めるように個があって初めて1+1=2、もしくはそれ以上の結果が得られる


▼地方の中小企業が高齢化や人口減少、効率化などの問題に立ち向かうためには従業員同士の信頼関係が必要不可欠ではないだろうか。同じ目標に向かってベクトルを合わせ、達成を目指す。技術に磨きを掛け、個の自立を促進し、部署や役職、年齢差などの垣根を越えてしっかりバトンを受け渡すことが課題解決の糸口となると期待して。(群馬・TF)


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