コラム

2017/02/14

総合球技場で経済活性化へ(山梨・MK)

総合球技場で経済活性化へ


▼山梨県内に総合球技場の整備を―。約10万人の署名を受け県が設置した検討委員会が昨年末、報告書を後藤知事に提出した


▼今なぜ、総合球技場が必要なのか。県内のスポーツ施設は1986年(昭和61年)のかいじ国体に合わせて整備された施設が老朽化し、改修や更新時期を迎えている。またリニア新幹線開業が10年後に予定され、甲府市郊外に設置されるリニア駅の周辺開発が大きな課題になっている。そこで県はリニア駅周辺で構想する「環境未来都市」の一つに総合球技場を位置付け、ランドマークにと青写真を描く


▼地域経済の活性化も総合球技場を計画する理由だ。国内では近年、長野県松本市や大阪府吹田市などで球技場が新設されたが、新設スタジアムではJリーグの観客数が約5割増。スタジアム建設を計画する広島市や京都市も観客数を4割増から6割増と見込む。そこには、スポーツを核に地域の活性化をとの考えがあり、それを山梨でも、という狙いは理解できる。報告書でも、総合球技場のあるべき姿としてスポーツやイベントの開催で地域経済に波及効果を創出し、交流や観光に寄与をと提言


▼報告書が想定した収容人数は約2万人。総工費は80億円から140億円程度。人口約83万人の山梨県にとって大きな投資だ


▼さらに報告書は「球技場を整備することが目的ではなく、どのように生かし、地域の発展に貢献する施設として運営・利用していくかが最も重要」と指摘した。県では整備基本構想を今後策定する。「何のために建設するのか」「こんな効果が」ということを県民に理解してもらい、協力を得ることが求められる。(山梨・MK)


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