コラム

2017/03/08

魅力あるまちへ(山梨・HI)

魅力あるまちへ


▼冬の寒さが薄まり、だんだんと春の暖かさが感じられるようになってきた。桜や桃といった木々は開花に向けて力を蓄え、冬眠していた生き物は、待ち焦がれたかのように続々と目覚め始める。こうした変化を見て春の訪れを実感する。春といえば、ひな祭りや花見、卒業式や入学式のほかゴールデンウイークなどが控えており、新生活が始まる人の出入りが最も活発な季節だ


▼総務省統計局の2016年人口移動報告によると、都道府県間の移動者数は2年ぶりの減少となったが、全国の市町村のうち7割以上が転出超過を記録している。東京都への転入者数は約40万人で最も多く、2位の神奈川県(約20万人)を大きく引き離し一極集中が続いている


▼人口流出の苦境にある多くの市町村では、地域の特徴を生かし、長く愛されるまちづくりに取り組む。「今までは首都圏に近いことから人口が流出したが、これからはそれを戻す」と、力強く語るある市長の表情からは決意と自信が感じられた


▼居住地を選ぶとき、その場所の何かに魅(ひ)かれて決断することが多いのではないだろうか。まちに溢(あふ)れる魅力とは、交通の便や医療福祉だけでなく、景観や商業施設など、感じ方は人それぞれ


▼まちづくりとは、いかにそれらの相乗効果を発揮させるかを考えることが大切。森林保護が特産物の収穫量を上げ、商業を循環させるように、小さな事業でも最後には他事業と交わり幾重にも重なってまちが形成されるのだ。間もなく新年度が始まる。より一層忙しくなる建設産業界。まちづくりを支える立場として今後とも尽力していただきたいと思っている。(山梨・HI)


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