コラム

2017/04/26

新たな道との出会いに(山梨・HK)

新たな道との出会いに


▼久しぶりに赴いた隣町の様相の変化に戸惑った。勝手知ったはずの懐かしい道を辿り、車を走らせると思わぬ箇所で信号付きの交差点に出くわす。直進する際に左右に眼を走らせ、拡幅途中の路線があったことを思い出し、新設道路であると合点がいく


▼〝道〟という字は十字路と足の象形であるシンニョウと、異民族である敵の首で構成されるという説もある。争いごとで文字の成り立ちには忌まわしい部分もあるようだが、道が交差する所には人と人との交わりも生まれる


▼とある市で、長らく塩漬けだった広大な用地の開発計画が動き出す。一度は区画整理事業の話が持ち上がったが、地元住民との合意が得ることができずに頓挫した経緯がある。かねてから当局側は「単純に道路だけではなく、面的整備が必要」との考え方が示され、先頃行われた土地所有者への意向調査では、対象地内を貫く都市計画道路など、早期の道路整備を望む声が多かったと聞いている


▼時が流れ世代が変われば考え方も時代に即したものとなる。住み慣れた場所も仕事の都合や核家族化により手放すことになり、街や集落の様相は変わってくる。そして人と人との繋がりも。2010年から5年間で全国99市町村の190の集落が消滅したとのデータがある。中山間地域の人口流出を食い止めようとする動きとともに、機能をコンパクトに集約した街づくりの動きも見られる


▼1本の道が通り、その先から人や物資が流れ入り、沿道に街が造られる。隣町の新設道路も活発な車両の往来が見られた。これからの時代を生きるこれからの人々の街づくりが始まる。(山梨・HK)


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